毎晩の色

自分との戦い

夏のファッション・スラックス編

2015年5月3日、もうすぐ夏がくる、夏は暑い。

汗をかくと、困るのがスーツだ。

汗を吸って重くなり、生地が肌に張り付いて、なかなか乾かないズボン。

ジャケットなら脱いでもいいが、ズボンはそういうわけにはいかない。

俺の夏用ビジネスワードローブには、

スーツ量販店で買ったツープライススーツのズボンが3本ある。

洗えるように作られているので何度か履いたら洗っているのだが、

色が黒で熱苦しいし、それだけで夏を乗り切るのは厳しい。

そこで先日、夏用のスラックスをユニクロに見に行った。

なぜユニクロにしたかというと、

他の量販店では体型とサイズによってデザインが限られ、選択肢が少ない。

俺は体が大きいので、どこもだいたい合うのはオヤジくさいものしかない。

となると残る道は4つ、選択肢の多い店に行くか、

選択肢が少なくても自分に合うように服を作っている店に行くか、

自分に合うように一から作ってもらうか、痩せるかだが、

俺は去年就職したばかりで、自分に合うような形のスーツ系のブランドを知らない。

さらに金もない。

ということで、選択肢の多い店、ユニクロを選んだというわけだ。

事前に調べて気になっていたのは、ストレッチウールブレンドスリムパンツ。

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ユニクロのロングパンツには、ざっくりわけて2タイプある。

タックありとタックなしだ。

タックとは、ズボンの天の部分から太ももに向かって入るヒダのようなもののこと。

そもそもズボンのタックというのは、なんのために入っているのか。

歴史のあるディテールだが、その「歴史あるディテール」としてのタックは、

クラシカルな着こなしをしてはじめて活きる。

それでもタックが廃れないのは、

タックが「動きやすさ」に直結するディテールでもあるから。

タックが多いほど太もも部分にゆとりができて動きやすくなり、

そのぶんシルエットは緩くなる。

たとえばデザイナーの個性が色濃く反映された、

高品質で生産数も少ないスーツにタックが入っているのなら、

それはそのスーツにはタックが入っている方がカッコいいから入っている、

ということになる。

しかし安価で大量生産されるズボンに単体で入っているのは、

単に見た目の軽快さより動きやすさ重視、

おじさんの体型に合わせて誰でも履けるように作られたことの印だ。

おじさん体型、太ももの太い人には、ノータックのパンツは基本的には似合わないが、

最近のパンツには、テーパードがきいていて、

太ももの太い脚でもフィットするものが多くある。

先ほどのもそうだ。

素材は毛60%、ポリエステル38%、ポリウレタン2%。

ポリウレタンが入っているのはストレッチのためだろう。

少し高めの位置についたバックポケットが脚を長めに見せてくれる。

色はダークグレーでもライトグレーでもなく、ミディアムグレー。

このミディアムグレーが一番着こなしの幅が広い。

同形の色違いにダークグレーと、ネイビーと、ネイビーのペンシルストライプもあったが、

まずは季節柄にもマッチした、ミディアムグレーのソリッドにした。

もう1本。

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2本目はドライストレッチパンツ。

こちらはコットンのような風合いがあるが、

ポリエステル100%なのでシワになりにくい。

そして軽い、ウール100%のパンツと比べたら1/3以下くらいの軽さに感じる。

色はネイビー、ホワイト、ブラック、ベージュがあったが、

コットンライクな素材から、

ビジネスシーンに使えそうなのはネイビーかブラックと判断。

ネイビーを選んだ。

詳しくないのでどこがどうとは言えないが、

個人的にはこちらの方が、1本目よりも形が綺麗だと感じる。


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最後は、裾だ。

裾の長さはここ10年間短いものが流行っているが、

ビジネスシーンでノークッションは使えないらしい。

が、先述の2本はどちらもテーパードシルエットで裾幅が細く、

カジュアルでも使えそうだったため、

引きずりそうな丈にするのは惜しいと感じた。

そこで、ワンクッションより気持ち短めのハーフクッション。

座っても靴下は見えない程度。

裾上げ方法のシングル/ダブルは起源が諸説あるらしいので、

靴の製造法との関連性のみに絞って見ることにした。

たとえばグッドイヤーウェルト製法の靴は堅牢なフォルムを持つものが多い。

生地が軽量化し、その仕立ても軽くなっているのと合わせて感覚的に考察すると、

シングルよりもダブルの方が裾が重くなるので、スラックスの裾と、

靴の甲の接触部の収まりがよい。

つまり靴がグッドイヤーウェルト製法のものなら、美しく見えるのは、ダブル。

幅は俺のレングスでできる限界の4.5cmにした。

生地が薄めで軽いため、より幅広の方が裾の重みが増し、

上記の収まりがよりよくなるはず、という判断だ。

ストレッチウールブレンドスリムパンツが4990円、

ドライストレッチパンツが3990円で裾上げ補正代が280×2に、

パンツ2本目990円引きで、税込合計9230円。

1万円以内に収まった。